奈良県公立高校入試出願動向の雑感(前半)

昨日、奈良県公立高校入試の最終倍率が出揃った
平城高校ひとつぶんの定員(360名)がまるっと減った分の動向やいかに?!
※正確にいうと登美ヶ丘高校から国際高校への再編も絡んで376名減
(登美ヶ丘240減・国際高校184増・生駒高校40増=合計16減)

ということで研究してみた

まず、昨年度のデータ
公立中3生人数:11165名(奈良教育大付属含む)/特色選抜出願者:3216名/一般選抜出願者5860名/公立受験者数合計:9076名
※特色選抜不合格者が一般選抜を受験した可能性はあるが実数不明

次に、本年度データ
公立中3生人数:10721名(奈良教育大付属含む)/特色選抜出願者:2838名/一般選抜出願者5197名/公立受験者数合計:8035名
※特色選抜不合格者が一般選抜を受験した可能性はあるが実数不明

そして、対昨年比増減データ
公立中3生人数:-444名(奈良教育大付属含む)/特色選抜出願者:-378名/一般選抜出願者-663名/公立受験者数合計:-1041

※在籍者数データ:学校基本数一覧より
※受験者数データ:高校入試より
いずれも奈良県HPに掲載


生徒数の自然減444名に対して、定員を370減らすというのは理論的に正しいかもしれないが、各高校で少しずつ減らすなら理解できるものの、高校ひとつをまるごと吹っ飛ばすという手法には、正直、疑問が残る
(経営の観点からは正しいのかもしれない)

それはさておき
注目したいのは、特色選抜だけで387名もの受験者減が出たことである
こちらは定員が減っていないどころか増えている(昨年度2838名→今年度2902名)にもかかわらずだ
こうして数字にしてみるとみると、なるほどあちこちで定員割れが出た印象が強かったのもうなずける
一般選抜に関しては生徒数の減少以上の減少を出している
高校進学率が100%近いことを考えれば、かなりの数が私立へ流出したと考えるのが妥当ではないだろうか?
ちなみに募集人員は295名減っている(昨年度5847名→今年度5552名)がそれ以上の減少をもたらした
※特色選抜の再募集がどちらにも含まれているのでデータとしては若干微妙だが大勢に影響ないと考える

この私立流出は、吹っ飛ばしたのが平城高校だったからだろう
平城高校は、いわゆる公立御三家(奈良県公立偏差値トップ)のすぐ下に位置する
そこを吹っ飛ばせば大学進学志向がある層は、指定校推薦を多く持っていたり大学付属だったりする私立に流れやすくなるのは当然のこと
特に今年度は大学入試制度改革のごたごたが酷く、それに振り回されるのを嫌った層がこぞって私立に流れてもおかしくない
ウチの大学進学希望がある一般選抜受験者には、万が一のことを考えてどっちへ転んでもいいように奈良県内私立と大阪の某大学付属私立を受験してもらったくらいだ
(そういえば平城高校の指定校推薦枠は結局どこへ行ったんだろう?それまで消滅???)

平城高校を吹っ飛ばした分をここ数年不人気な奈良北高校へそのまま流そうなんて甘いんだよ!
と思っていたら、不人気が狙われたのか今年はまさかの定員超え
しかし、その余波を喰ったのが生駒高校になるだろう
定員が40増えたから出願者も増えるかと思いきや、昨年の出願者349名→今年の出願者343名と驚きの定員割れだった

話は戻って
いわゆる公立御三家(奈良高校・郡山高校・畝傍高校)からは自力受験で大学が狙えるだろう
しかし、先ほども触れたように、大学入試制度改革がごたついている
それを考えて安全策に走ってもおかしくないよね?
と思ったら、ここの層はやはりそんなことではびくともしないのか、一か八かで御三家を受けて受かったらラッキー落ちても私立へ行けばいいや的なノリなのか、奈良高校と郡山高校は去年より倍率が跳ね上がっている
特に郡山高校は定員360名に対して477名の出願者数で倍率は1.33倍だ
予想はできていたが、ここまでギャンブルするか?というのが正直な感想
一条高校の高倍率は予測ができていたのでこんなもんかな
(むしろ去年の定員割れに驚いた)

しかしまぁ…
鳴り物入りで創設した国際高校も、特色選抜こそは定員64名に対し100名の出願があったものの、一般選抜では120名定員に対し69名の出願にとどまった
特色選抜は落ちても一般選抜あるし~!のノリで出願者を集められたかもしれないが、あとのない一般選抜だと回避された感が強いなぁ…

御三家のうちで唯一去年より倍率を落としたのは畝傍高校
昨年の出願者426名から今年の423名なので3名減
誤差の範囲内といえば範囲内に収まる数だろう
畝傍高校へ流れなかった層はどこへ行ったか?
高田高校へ集中したとみるべきだろう
昨年の出願者数392名から今年は435名(定員360名)で1.21倍
中南部に住む、私立よりどうしても公立だけど大学も行きたいきたいという層が集中した印象がある
模試の分布からある程度予想はできていたけど、思ったより畝傍高校回避組が多いのかもしれない
奈良県北部の私立への通いやすさやベッドタウン化による必ずしも公立志向ではない傾向に反し、奈良中南部だとまだまだ公立志向なんだという結果が如実に表れているだろう

橿原高校はわずかに出願者数が減った(昨年345名→今年337名)
北部での生駒高校同様、余波を喰ったのは桜井高校(定員240名)
昨年の出願者数295名から今年の235名とまさかの定員割れ
両校ともに思ったよりか出願者数が少なかったのは、高田高校への集中とやはり私立へ流れたか?

奈良高専は今年も昨年同様定員200名だが、県外からも進学者があるのでここでの言及は特にしない

と、いうことで続きは後日!